lucky×unlucky

1-Aクラス


-篠宮杏side-



ガラガラッ

「………」


教室に入るなり一気に注目を浴びる

それもそのはず

入学式に来てない人は私一人だけだったし、何よりこの瓶底眼鏡におさげという今時の若者ではありえない格好で来たのだから

ざわざわとクラスが騒ぎ始めているが特に気にも止めず、担任が話していたベランダ側の一番後ろの席に座った

『あの子…入学式に来てなかった子だっけ?』

『どこの田舎者よぉ…?』

『うわっ…なんかキモッ』

男女関係なく私を見ては口々に侮蔑の言葉を吐いてケラケラと嘲笑う

「………」

やっぱり容姿って大事ね

そういえば…こんな姿でも山本は助けてくれたっけ…

物好きな人


キュッと唇を噛み締めると、早く本鈴が鳴らないかな…と遠くの空を眺めた

――――――――‥…‥


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