一枚のフォト

真実



「お母さん~。あのさー」
「片付け終わったのか!?」
「あ・・はい。でさ、この写真の男の子知ってる?」
「・・・」


お母さんの動きが止まった。
一瞬のことだったけどあたしにはきちんとわかった。
お母さんは何か隠している。
あたしの記憶の奥深くに何かが隠れてる。
それを思い出すことが出来ない。
何故だろう。


「知らないわよ。荘汰くんじゃないの?」
「・・荘汰はこんな顔立ちじゃなかった。」
「・・・知らない。母さんは何も知らないわ・・・」


お母さんはそういい台所へふらふらと消え去った。

何で隠すんだろう?
隠す意味なんかあるの?
なんで・・・?


この写真の風景は全くみたことのない土地ってことは確かだった。
あたしは小さい頃どこにいたの・・・?


あたしは荘汰に電話した。

《もっしー♪》
「・・・荘汰ってさあたしと何歳の頃知り合ったか覚えてる?」
《・・・知らない。記憶にないよ。》
「怒ってる?」
《何で俺が怒るの?じゃあもうきるね》


ぶちっ・・・

そういい電話はむりやりきられた。




















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