姉妹
「んー?これはこれは、麗しの姉様、美月ちゃんじゃないかい?」



へらへらと人懐っこい笑みを浮かべながら近づいてくるちょっと軽い雰囲気のある男



「あぁ、えーっと、和也くんだったかしら」



「覚えてくれるなんて光栄ですよ、おねえさま」



「美月でいいわ。私はあなたの姉じゃないし…ねぇ、それより美紅みなかった?」



「それよりって、ひどいなぁ。美紅ちゃん?一緒じゃないなとは思ったけど、珍しいこともあるものだね」



「…そりゃ、ね。」



一瞬顔が陰った気がしたが、和也は気付いたのか気付いていないのか読み取れない反応をした。



「それにしても、いくらなんでも遅すぎるわ!!」




「心配なんだねぇ」



次の瞬間にはいつもの妹を心配する姉の顔に戻っていたのだから
< 128 / 327 >

この作品をシェア

pagetop