姉妹

「でも…」


渋る美月に二つの声



「おはよー」
「おはよう」




「えっ?」




美月の心配もつかの間


「姉さま固まってどうしたの?」


「えぇ!?あら、二人一緒なのね」




「なぁ晴樹~」


「なんだよ和也。朝から嫌な笑みだな」


「そりゃお前、美人な女の子と一緒に登校するなんてよぉ~朝っぱらから見せつけてくれるじゃんってな」


「うるさいぞ」


耳まで赤くなっている晴樹といまだ攻撃をやめない



「そういや晴樹、お前待ち合わせもしないでよくこれたな」




「はあ?あぁ、なんとなくこっちかな、って思ってたらばったり」

「私もそんな感じ」




「な?」

和也は意味ありげに美月を見て、それからどこともなく消えていった





なんとなく、か



こんな些細なことだが、美月は何かを感じずにはいられなかった




この人なら状況を変えてくれるかもしれない、いや、変えてしまうかもしれないという確信があった


< 130 / 327 >

この作品をシェア

pagetop