姉妹
確かにまだ七歳の美紅には祖父の言葉は完全にはわかりかねた


しかし、祖父の言わんとしていることは何となく掴めた気がした



「味方」


今の美紅にとってこれ以上嬉しい言葉はないだろう


美紅は今、自分を取り戻しつつあった



「おじいちゃん、ずっと美紅の味方でいてくれるのね」


「不安かな?なら何度でも言うさ、おじいちゃんは美紅の味方だ。見放したりしないよ」




二人が柔らかい笑顔で片付けをしている姿を遠くから見ている人影が二つあった



「美紅ちゃん・・・」

「くっ・・・美紅、」


一つは、心配そうな表情で目に涙をためていた




もう一つは、なんとも恐ろしい、その目に純粋な憎悪と僅かな羨望を湛えていた
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