姉妹

こんなに緊迫したことはいつ以来だろうか



「ゴホッゲホゲホ」



「おじいちゃん今吸引マスクを準備しているわ」



今度は美月が善蔵を心配そうに覗き込んだ



「美月、すまないね」



「当然のことよ」




「水原さん、マスクをつけますからね」

救急隊が善蔵にマスクをつけた

ぜんそくの治療とかに使うあのマスクだ



「おじいちゃん、どう?」



「悪くない。美紅は?」



「美紅は晴樹に電話よ」



そうかとうなずきながらいくらか楽になったのか、善蔵は言った



「本当の美紅は強い」



「え?」



美月が聞き返そうとしたところで善蔵が咳き込み始めた


「おじいちゃん無理しないで」




「あの、救急車出ます」

「分かりました」

美月は意識を引き戻し、外に声をかけた



「美紅、救急車出るわよ」



二つ返事で帰ってきたのは

「今行くわ」


凛とした声
座った眼
< 148 / 327 >

この作品をシェア

pagetop