姉妹
こんなに緊迫したことはいつ以来だろうか
「ゴホッゲホゲホ」
「おじいちゃん今吸引マスクを準備しているわ」
今度は美月が善蔵を心配そうに覗き込んだ
「美月、すまないね」
「当然のことよ」
「水原さん、マスクをつけますからね」
救急隊が善蔵にマスクをつけた
ぜんそくの治療とかに使うあのマスクだ
「おじいちゃん、どう?」
「悪くない。美紅は?」
「美紅は晴樹に電話よ」
そうかとうなずきながらいくらか楽になったのか、善蔵は言った
「本当の美紅は強い」
「え?」
美月が聞き返そうとしたところで善蔵が咳き込み始めた
「おじいちゃん無理しないで」
「あの、救急車出ます」
「分かりました」
美月は意識を引き戻し、外に声をかけた
「美紅、救急車出るわよ」
二つ返事で帰ってきたのは
「今行くわ」
凛とした声
座った眼