姉妹
赤と黒
おじいちゃんは思っていたよりも元気そうだった



私たち姉妹の顔をみて、よく来てくれたと喜んでくれた



-「検査検査で本当いやになってしまうよ」



そんなことを言いながら溌剌とした笑顔を見せてくれて私は心底安心したのを覚えている





部屋の隅にそれなりに大きな鞄があった



「おじいちゃん退院できるの?」


美月が尋ねた




「あぁ。明日戻ろうと思う」



「よかったー!!」



嬉しさ余って美月は「お茶入れてくるね!」といって部屋を出ていった



静かになった部屋で美紅は改めて鞄を見た



「…この鞄」



「あぁ、祖母さんが来てたんだよ。ついさっきそそくさと帰ってしまったけどね」




…やっぱり聞こえていたのか



美紅は不思議と笑えて来て、小さく笑った
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