姉妹
「だからこそ私は美紅にだけは心配されたくなかった。あの子と立場が入れ替わるのが怖かったし、かといって昔のままであっていいはずはないから。その二つのエゴで揺れていた、というと格好いいかしら」
美月はしれっという
「美月ちゃん、どうするつもりなの」
和也は怖かった。美月が何を言うのかわかる気がしたからだ
「美紅と離れなければならないでしょうね。近日中、今すぐにでも」
美月は川岸の反対側を見つめていた
「お父さんとお母さんについていくわ」
「はい?」
和也はいきなりの展開に目を見開いた
離れていくことは予想していたが、両親のもとへいくなんて想定外にもほどがある
「お父さんて、死んでなかったっけ?」
「勝手に殺さないで。行方不明だけど、死んだなんて言ってないわ」
「どこにいるか知ってるの?」
美月は川岸の向こう側をじっと見た
視線の先に不思議な雰囲気の男がいた