姉妹
「和也くん、お母さんが繰り返し見た夢の、呪いで殺しかける女の子は私だったのよ」
美月の方が冷静だった
「おい、なんてこと「いいのよ。本当のことだし、私だったの。あなたが言った通り、最終的に壊れてしまうのは美紅でなくて私だった。悪魔になってしまったのは私の方だったのよ」
「だから、離れて、一人の美月として暮らして、浄化できたら帰ってくるかもしれないわ」
美月はえへへっと最後にふざけていたずらっぽい笑みを見せた
「笑えないよ、美月ちゃん。それにどうするんだよ晴樹は」
「え?」
美月の顔から一気に表情が消えた
夕ぐれの河原に肌寒い風が吹いて草を撫でた
「好きだっただろ、晴樹のこと」
和也は下を向いてしまった
言いたくなかったけれど、言わずにはいられなかった
せめて顔だけは見られたくなかった
「どうもしないわ」
美月もどことなく切なくなった