姉妹
「はぁっはぁっ」



美紅は庭を走っていた


姉の美月とかくれんぼをしていたのだが、隠れ場所が見つからない


あと30秒もすれば美月が探しに来てしまう


これまで美月には33敗しているが、今度こそ負けたくはない



「秘密基地は駄目でしょ、お風呂場も、押入れも駄目だわ、だったら他の場所を見つけて今度こそは降参させてやるわ!」


今度こそ、うまく隠れてやる、と意気込んだとき、いい隠れ場所を見つけた





日差しが焼け付くように強く、じめじめとした日だった






美紅は縁側の下より奥に入ったところに隠れることにした


「ここなら狭いし、薄暗いし、そう簡単に見つかることはないわ」




「またですよ。昨日も美月ちゃんは怪我をしてきたんですよ」
「美月は少しばかりどんくさいだけだろう、気にすることはないだろう」




-何かしら、おじぃちゃまとおばぁちゃまがお話をしているわ




「私は怖いんです、美月の身に災いが起きたら」
「単なる偶然に決まっている、想像の域だろう」




-お姉ちゃんの怪我、そんなに酷かったかしら?
美紅は首をひねった




「いいえ違うのよ、夢が実現しつつあるのよ」
「おい、いくらなんでもそんな、単なる夢だぞ」


「でも予知夢ってあるんですよ、勘が冴えているときはそんなこともあるの」
「そんな馬鹿らしい、予知夢など、聞いて呆れる」




-“よちむ”って何かしら・・・?



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