姉妹
安息日
「教科書全部あったー?」

「見て見て!制服可愛い!似合う?」

「姉さまは何でも似合うよ」
「あ、私の鞄踏まないで」


美月と美紅はもうすぐ高校生になる

かなり優秀な高校に姉妹揃って入学が決まったのだ

無論美紅のクラスから同じ高校に進学する者はいない

春休みは入学準備に日々終われ、忙しい毎日を過ごしていた


新しい制服
新しい生活

新しい仲間


全てが「新しく」なることに期待を寄せて


「何か変わるかな・・・」

美紅がぼそっと言った

「変わるわ。全てがまた違う方向に向いていくわ。絶対に」

美月は強い眼差しで見つめた

「そうだね」

美紅は微笑んだ

「私ね、中学にあまりいい思い出はないけれど、一つだけ良かったと心からいえることがあるの。姉さまとの絆が強くなった気がするから・・・」

「美紅・・・」

「姉さま、今度は私が姉さまの力になるわ」


溢れんばかりの感謝の気持ちを、貴女に


「美紅、ありがとう。私たちは永久に姉妹よ」


「でも、"姉さま"はやめてよ笑」

「いや、それは譲れない」


二人は微笑みあった


とても暖かい日だった
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