姉妹
「なぁ、美紅」

「なに?」

晴樹は迷った

この気持ちを言うべきか否か

今は本当なら絶好のチャンスであるはずだ

だけど、いくらなんでもいきなり過ぎないか?

軽い奴って思われたらな…


しかし晴樹は決心した

美紅があれだけストレートに気持ちを言葉にしているんなら

俺だって


「俺も美紅と仲良くなれて嬉しいです!これからもよろしくな!!」

「うん!ありがとう!!」

「これからもずっと、だぞ…」

「え?」

晴樹は顔を赤らめていた

「あの、」

美紅が続きを言おうとしたときにはすでに、顔を見られまいと晴樹は背を向けて駆け出していた




「なぁー美紅ー!!」

晴樹の姿はすでに遠い

「俺、美紅のこと、好きだー!!!!」

「!!」

「俺と付き合ってくれないかー?」


美紅は嬉しかった

ただ純粋に嬉しかった

大粒の涙が頬をつたう

晴樹には愛しさと感謝と頼もしさと…

溢れる気持ちを言葉にするのは難しい

だから一言だけ


「よろしくおねがいしまーす!!」

美紅は涙をぬぐって空いっぱいに叫んだ
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