ラブソングをもう一度



「俺は本当に、レイのこと何も知らないね」


どこか諦めるように呟いた、まっすぐな海の瞳があたしを捉える。

この目に見つめられると、あたしはもう、身動きができなくなる。

何が正解で、何が間違っているのか、正しい選択ができなくなる。



まぁ、これまで正しい選択ができてきたのかなんて実はよくわからないのだけど。



「ライブハウス……」

思わず、口に出してしまった単語を、海はきちんと聞き取ったらしい。




「ライブハウス?あの男と……行ったのか?」

「そう。ライブハウス。和泉……あの、一緒に居た人のお兄さんが経営してるの」



言うべきことじゃないのはわかっていた。

こんなこと、言った所で何かが変わるわけでもないし、第一、これ以上、あたしの存在を海の心に残してはいけない。



だけど…………



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