さくら、ひらひら。
第6章 恋の始まり。
ドキドキ、キラキラ。
そんな小さな恋も始まったのは卒業式の前日。
春休みもきっと会うだろうな。
〝人を好きになる〟ってこんなに楽しかったっけ?
片想い、ってことはわかってる。
けど、一緒にいる分聖治に彼女がいないのもわかってる。
「弥生、お菓子食べよー」
「うん!わあ、これ新発売?」
「そうそう、キャラメルの中に桜クリーム…って甘!!」
「大は甘いもの嫌いだもんね?うちは大好き!」
「じゃ、あたしも一つ!」
パク、とひとつ食べてみる。
ふわり、桜の匂い。
「ん。春っぽい味がする!」
甘くて、ふわふわしてて、いい匂い。
春って一番好きな季節だから。