さくら、ひらひら。
第6章 恋の始まり。


ドキドキ、キラキラ。

そんな小さな恋も始まったのは卒業式の前日。




春休みもきっと会うだろうな。



〝人を好きになる〟ってこんなに楽しかったっけ?


片想い、ってことはわかってる。
けど、一緒にいる分聖治に彼女がいないのもわかってる。



「弥生、お菓子食べよー」

「うん!わあ、これ新発売?」

「そうそう、キャラメルの中に桜クリーム…って甘!!」

「大は甘いもの嫌いだもんね?うちは大好き!」

「じゃ、あたしも一つ!」

パク、とひとつ食べてみる。


ふわり、桜の匂い。

「ん。春っぽい味がする!」



甘くて、ふわふわしてて、いい匂い。

春って一番好きな季節だから。





< 56 / 213 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop