Memory

2.出会い 『一哉』


めんどい夏。
女は、うるせぇし。
帰り道は、カップルだらけだしよ。

「早く終わんねぇかな」

「オイ!一哉」
ん、だれだよ。
「健チャンじゃん!」
親友の柳川 健介だ。
タメん中で、1番こわい。
「廊下で、女子が泣いてんだよ」
「そっか」
俺には関係ねぇし。
女とか、どーでもいい。
「それがよ、3代美女の『奈良 穂乃華』なんだゼ」
(3代美女ってのは、俺らン学年のなかの3人の美女サンのことさ)
奈良サンか。
結構可愛いよな。
ま、俺には関係ない事だけどな。
「ほら、来いよ」
「俺は行かね」
「ぢゃ、この前の貸した金、今すぐ返せ」
こう言われちゃ、おしまい。
「わかったよ」

俺らは、廊下へ行った。

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