「キカイ」の子
「大丈夫だ。少し発作が起きただけだろう。」



健一は、冷静に、かつ、柔らかい口で言った。




「よかった……」





透が胸をなで下ろした。



この時、冬彦は透の顔が真っ青であることに気づいた。





そんな透の様子を冬彦が見ていると、透が急にこっちを向いた。




「冬彦…ちょっと、いいか…」




透は、今まで見たことのない、真剣な表情で冬彦に訊いた。



「……うん。」






冬彦はその表情に気圧されながら、答えた。





「屋上…は閉まってるか。一階のロビーに行こう。」





そう言って、透は歩きだし、冬彦もそれに続いた。










残された健一は、息子を悲しそうな目で見送った。
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