「キカイ」の子

第３章 狂い始めた歯車

冬彦と夏美が付き合うことになって一週間が過ぎた。


今日は一学期最後の日、つまり終業式だ。










「それじゃ～通知表返すから、名前呼ばれたら来てね。」




教壇に立っている長谷川が、ざわつく生徒達に呼び掛けた。






生徒達は次々に名前を呼ばれ、立ち上がり、長谷川から通知表を受け取ると、様々な顔で通知表を見ながら席に戻っていった。








「…はい。もう少し頑張ろうね…次は……高椿君。」






冬彦の方を見ながら、長谷川は言った。





「はい。」






冬彦は返事をして、立ち上がり、騒がしい教室の中、長谷川に向かって行った。