「キカイ」の子
冬彦達は、夏休みの終わり頃に、その計画を実行することにした。






というのも、夏美が、金銭的な理由から、その計画の実行を遅らせて欲しい、と冬彦に願ったからだった。








冬彦には、いつ行くか、ということが、あまり問題ではなかったので、夏美に合わせることにした。









それまでの間、冬彦は受験勉強に励み、夏美は施設の雑用を手伝って、旅行のために小遣い稼ぎをしていた。







そのため、二人はごくたまにしか会えなかったが、旅行の日のことを考えると、あまり寂しくはなかった。











そして、ついに、その日の前日になった。
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