「キカイ」の子
「そんなこと…君の体の問題があるだろう?…駄目だ。尚更認めるわけには…」




「僕の体は普通じゃないんでしょ!」





冬彦は込み上げる思いのまま、まるで健一に投げつけるように、言い放った。





健一は突然のことに我を忘れてしまった。




そんな彼を尻目に冬彦は揺れる声で話を続けた。






「どんな理由で僕が生まれたのかは…もういいんです!せめて…この体で良かったと思えることを…最期にやりたいんです…」






「!………」






健一は暗い顔をして、冬彦から顔をそらした。





そのままどちらも口を開かずに、病室の中に冷たい沈黙が流れた。








そして、ゆっくりと健一が席を立った。







「……健一さん?」






冬彦は、健一が突然立ち上がったので不思議そうな顔をした。





健一は目を合わせないままドアノブに手を掛け、ポツリと呟いた。






「行こうか……夏美ちゃんの所に…」
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