「キカイ」の子

第５章 透き通った空へ…

さめざめと泣く大人や同級生達の中に、透はいた。








冬彦達の葬儀は、二人の意向を尊重するようにとの健一の言葉で、二人同時に行われていた。








周りの皆が泣いているというのに、透は涙を流すこと無く、ただじっと健一の隣の椅子に座って、堪えていた。












「……透。」









健一はそう言って、我が子の頭を撫でた。









透は何も言わず、ただ数珠を固く握り締めて、自分よりも遥かに高い位置にある写真を睨み付けていた。











健一は息子の頭を撫でながら、聡を見た。











彼は泣き疲れて呆然としている妻の横で、黙って目を瞑っていた。












健一には、友人が何を考えているのか、再び過ちを繰り返す算段をしているのか、が気になっていたが、突然、今まで手の下にあった透の頭の感触が無くなったので、慌てて息子を探した。