「キカイ」の子
「どうしたの、鍬原さん?」







冬彦が、心配そうに夏美に尋ねた。







「…何でもな~いよ。」





夏美は、拗ねた声でそう答えて、窓の外を見た。



冬彦もつられて、外を見た。









窓の外には、明るい日が差し、街行く人は、みんな恨めしそうに太陽を見ていた。










もうすぐ夏がやってきそうだった。
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