この歌は君だけに
酒と男と女の涙


 眩しい程のスポットライト―俺を融かそうとしているのか。

 叫びながら必死で此方へ手を伸ばす聴衆―俺を奪おうというのか。

 背後から響く旋律―俺を責めているんだろう。

 ああそうさ。お前らが正しいよ。







 所詮俺は『下らぬ歌い手』だ――。



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