会いたい、伝えたい、この思い
偶然

2か月なんてあっという間に過ぎ、季節も夏から秋に変わっていた。

そして、渚紗は引っ越して一人暮らしを始めた。

とは言え、実家から3㎞程しか離れていない場所。

どちらにしても、地元で暮らしている。

最初は、いろいろな物が必要で、しょっちゅう買い出しに出かけていた。

渚紗が暮らしている辺りは、ちょっと歩けばコンビニ,スーパー,薬局,本屋とある程度の物は何でも揃うという環境が整った場所。

今日は、100均へ買い物に出掛けていた。

ここも、自転車で5分と掛からない距離。

そこで、渚紗は、よく聞きなれた声を聞いた。

「いらっしゃいませ~」

店内に響き渡るその声の持ち主。

それは...

「・・・高杉?」

昔よりもちょっと声は、高かったが、間違いなく高杉の声だった。

思わず辺りを見渡す渚紗。

レジの近くを見ると接客をする高杉の姿が。

「・・・こんなことって本当にあるんだ」

と、小声で言い、嬉しさのあまり、泣きそうになった。
< 4 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop