君がいれば・・・①
休憩中に綺麗な大人の雰囲気を持った女性が信也に近づいた。



「信也、お疲れ様、彼女どう?」



信也の肩に手を置いて親しそうな感じだ。



メイク担当者にメイクを直されていると、信也とその女性が瀬奈に近づいてきた。



「瀬奈ちゃん、俺の奥さんの多恵子さん」



「こ、こんばんは 木下 瀬奈です」



奥様をいきなり紹介されて瀬奈は慌てて頭を下げた。



「こんばんは 瀬奈さん」



ニコッと微笑む多恵子さんは大人の雰囲気の女性で並ぶ2人はお似合いに見えた。



「凄くかわいいわね うちの事務所にスカウトしたいくらいだわ」



多恵子が瀬奈の顔をジッと見てから言った。



2人は共働きで、多恵子は芸能事務所に勤めている。



「だろ~ 瀬奈ちゃん、デパガ辞めてモデルやらない?」



信也が真剣な顔をして言う。



「えっ!?無理、無理です」



「あら、そう……」



瀬奈が慌てて断ると多恵子が残念そうな顔になった。



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