君がいれば・・・①
熱くはない。



「よかった」



にこっと笑う瀬奈にシンは我慢できずに唇を重ねた。



「シ、シンっ ダメだよ」



唇を離した瀬奈が困ったように言う。



「どうして?」



何がダメなのか分らないシンは再びキスをしようと顔を下げた。



瀬奈が両手で自分の口を隠す。



「セナ?」



俺とのキスが嫌なのか?



「もうダメっ シンに風邪移ったら困るもん」



「数え切れないくらいキスをしているのに今更だぞ?」



「でもこれから移るかも知れないし……」



喉が痛むから瀬奈の声がかすれている。



「それもいいかも知れない そうなったら明日も一日中セナといられる」



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