赤とオレンジの空


『もしもし、七海です。』


はぁー。
めんどくさいな…


『矢田部(学校の先生)ですが
今日の話は友達に話さない方
がいんでしょうか?』


『あぁー。
こういう時ってどうすれば
いいんですかね?』


どうしよ…。
やっぱり先生に言った方が
いいのかな…?
あと一週間だし。
んー。


『今までの生徒を
見てますと話した方が
いいと思いますよ。
最近は、隠し事してそこから
いじめに繋がることが
多いみたいなので…。』


…もういじめられてるし、
隠し事するような友達いない。
…こういうの悲しくなる。
やっぱり言った方がいいかな…



『そうなんですか…。
矢田部先生。
私ね、ずっと隠してきた
事があるんです…。』


『どうしたんですか…?』


『私に…。私には………
友達がいないんです。』


『なに冗談を
言ってるんですか。
学校でもバレーの時でも
あんなに元気な宮沢さんが…』


無理なのかな…
言わなかった方がよかった?


『ほんとなんですよ。
携帯に友達のメアドも
ないし毎日一人で
帰っているんです…。』


やっぱり先生になんか
なにもわかんないんだよね。


『………。
よく言ってくれましたね。』


えッ?






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