裏切りの少年
33. 報道
相棒は小さく頷いた。


「これはこの世界の問題だ。
お前が『G』と縁を切ったところで、管理側の人間だ。
責任を持つべきだ」


相棒は俺に言った。


「責任か………」

「そうだ。子供を野放しにすれば、世界は混迷の闇へ向かう。
そうならないために………」


相棒の話には一理ある。
今は関係のない状態だ。
しかし、10年後、あるいは20年後に俺自身の問題へと変わるだろう。
だが………


「俺は管理側として責任を果たしている」

「それはお前自身の問題だ」

「俺達自身の問題だ。
それに利害の一致がない。
俺がバケモノと戦ったとして、俺に何の得がある」

「それは………」

相棒は考えている。

相棒の出す条件は世界の敵であり、今後の計画で邪魔となる子供を早い段階で始末できることだ。
だが、なぜ俺が『G』と協力しなければならない。


「貴重な情報には感謝する。
だが、履き違えるな。
俺とお前は目的が同じであっても、価値感が違う。
俺はこの世界など、どうでもいいと思っている。
もし、俺を使いたいのなら、俺を動かせるだけの条件を持ってこい」


俺は相棒に背中を向け、その場を立ち去った。




―――『ヘブン』国内ホテル
相棒と別れた後、俺は泊まる宿を探した。
捜している最中にコンビニで安いウィスキーと食事を買い、店員に宿を聞いた。
店員は一般のビジネスホテルがあると言ったので、そこに向かった。
店員の言った通り、ホテルは空いている。
俺は部屋に入ると、服を脱いた。
その後、個室のシャワーを浴びたあと、TVを付けた。


この半年間、井上研究所の警固をした関係で、外部の情報を遮断されていた。
そのため、世間で何が起きているのかが分からない状況だ。
今後のためにも情報を集めることが重要だった。
TVのニュースを見ていると、どのチャンネルも特番をやっていた。
時計を見ると、朝の0530時だ。
昨日のニュースを振り返っているのだろう。
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