裏切りの少年
38. 警告
標的は俺の方を見た。
俺はその場を離れようと思い、右足を引いたが、バランスを崩し、尻もちをついた。
俺は視線を自分の足に向けると、足は痙攣を起こしていた。
『衝撃』能力を最大に使ったのだ。
逃げるための力などあるはずがない。


俺は殺されると思った。
俺は持っていたナイフを取り出し、『衝撃』能力で強化された斬撃で標的を攻撃した。
しかし、標的にはかすり傷一つ付かない。


『『A3』援護する』


相棒の声が通信機を通して流れた。

突然、標的の身体を何かが辺り、弾かれている様子が見えた。
俺が飛んできた方向を見ると、相棒はライフルを構え、標的に照準を定めている。


だが、標的………バケモノには効果が見られない。
標的は視線を相棒の方に向けた。
一瞬の出来事だった。
今まで俺の目の前にいた標的は相棒の方へ移動した。
相棒は近づく標的に何度もライフルを発砲させた。
しかし、動きを止めることができない。


「ホーク………」


俺は叫んだ。相棒はライフルを降ろした。
相棒と標的の間隔が狭まる間、少しだけ時間が合った。
相棒は俺の方を見て、口を動かした。


(すまない………)


相棒は通信機を使わずに話したため、声は聞こえなかった。
だが、口の動き、顔の表情から相棒の言葉が伝わった。
標的は相棒の胸を殴った。
その衝撃で相棒は遠くの方へ吹き飛び、やがて木に衝突した。


標的は自分で飛ばした相棒になおも近づき、倒れた相棒を持ち上げ、俺の方へ投げた。
相棒の身体は勢いよく飛ばされ、俺の目の前に飛ばされた。
相棒を見ると、相棒は呼吸をしていない。
相棒はバケモノの餌食となった。


「くそっ………」


俺は標的を見た。
標的も俺の方を見ていた。
次の獲物はお前だ。
そう、バケモノは言っているようだ。
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