裏切りの少年
41. 施設
―――38年前
静まり返った町の一角で、俺は人を待っていた。
季節は春。
この日、俺は高校の卒業式を終え、友人との別れのため、卒業会を開催した。


その後、俺は友人達と別れ、今に至るわけだ。
俺は時計を見た。
そろそろ、待ち合わせの時間だ。
辺りを見渡したが、周辺には俺以外誰もいない。


「遅いな………」


俺はビルの壁に寄りかかり、人を待った。


俺が記憶を取り戻してから、真っ先に『W』について調べた。
あのバケモノがどうなったかを確認するためだ。
だが、バケモノについては何一つ情報がなかった。
また、世界に異変はなかった。
『W』の国際テロ組織という存在は変わらないが、世界の脅威にはなっていない。


『G』の予想はハズれたわけだ。
世界の危機と思われた存在は、姿を消した。
しかし、バケモノは世界のどこかに存在する。
それだけは言える。
俺が『W』側の人間だったら、バケモノを有効に使う。
決して死なせず、必要に応じて使う。
もしかしたら、『W』はバケモノを隠しているのかも知れない。


俺が考えごとをしていると、人が近づいてきた。

「ホークか………」


俺は男に聞いた。
男は驚いた表情をしてが、すぐ返事に答えた。


「そういうお前はウルフか」


俺は頷いた。
相棒は俺の姿を見て、ある程度納得していた。


「18年ぶりだな」


俺は姿勢を正しながら、相棒に言った。


「場所を移そうか」


相棒が聞いてきた。


「そうだな。
ここだと目立つ………
公園にでも行くか」


今は真夜中だ。
空いている店は飲み屋ぐらいだろう。
だが、俺とホークの二人は共に18歳だ。
つまり、未成年というわけだ。


「いいや。
近くに飲み屋がある
………そういう顔をするな。
歳は若いが、アルコール以外なら飲めるだろう。
それに外だと寒い」


確かに、寒い。
春が近付いているが、まだ3月だ。
昼は暖かくなっても、夜は寒い。


「そうだな」


俺は相棒に言うと、相棒は店に向かった。
俺は相棒の後ろを歩いた。
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