冬恋 ~フユコイ~
すぐに答えられなくて、傍に立っている人を見た。


なんて素敵な男の人なんだろう?


落ち着いたスーツを身に纏ったその男性は、とても思い遣りに満ちた優しい目をして私を見ていた。


「ここ、座ってもいい?」


男性の指差す先は、さっき陽介が座っていた場所で。


私は返事も出来ず、こくんと頷いた。
< 20 / 154 >

この作品をシェア

pagetop