透明な銃

「あの、先生、もしかして今急いでいたんじゃないですか?」
そう言うと先生はハッとしたように笑みを一瞬凍らせた。

「そうだった。今から急いでプリントをコピーしなくちゃいけないんだよ」
「大変ですね」
「そう、大変なんだ。もしよければ手伝ってもらえないかな?」

だめだ。
ここで了承すると変なフラグが立ってしまうかもしれない!

「スミマセン、僕もちょっと急いでいるので」
「そうか、呼び止めてしまってすまなかったね」

よかった。

「今日は君のクラス……確か5時間目に数学だったね?」
「あ、はい」

そういえばそうだった。
もしかしてこれはフラグのフラグをたててしまったかもしれない……。

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