透明な銃

そして再び人間観察タイムin昼休み。
場所は外階段の踊り場だ。

この学校は、屋上は立ち入り禁止だけれど、
外階段と、そこの踊り場がやたらと広い。
ベンチなんかも置いてあって、プチ憩いの場的な感じになっている。
なので天気がいい日は結構人が居るけど……今日は風が強いし曇りだからか人が居ない。

「流石に人居ないなー」

「中戻る?」
高林君の言葉に、出雲さんが尋ねてくる。

「いや、ここにしようよ」
外の方が、ハートの様子がよく見えるからだ。

「まぁ遠藤がそう言うんなら……物飛ばさないように気をつけろよー」

言いながら、不知火君はベンチの向かい側に、もう1つベンチを移動させた。
ひきずっているからガリガリと音がする。
しょっちゅう移動させられているから、ベンチの足は削れているようなあとがある。
でもずっと同じ物の気がするから、かなり丈夫なベンチなんだろう。
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