私、もうちょっとで30代です。でもピンクなんです。
「ただいま。今日も1日、お疲れ様。」
帰宅したときに、無言だと寂しさが増すから、自分で自分を出迎える。
いつも通りの帰宅が、
「おっかえり夕飯、早く〜。腹減った〜。」
いつも通りじゃない。
ぬいぐるみが私の帰りを待っていた。
帰宅したときに、出迎えられると、やっぱり嬉しい。私は今日も二人分の夕食を作りはじめた。
「明日はスターゴレンジャーの初出撃だから、いっぱい食べて力をつけないとな。スタミナ食品で頼む!」私は相変わらず、冗談だと思い、上手く合わせた返事をしながら料理する。
「今日、ピンクの好みのイケメンを4人。あと1人をスターゴレンジャーに選んできたから。」
「イケメンが5人。
ムフフ。まるで楽園だね。」
その日、ぬいぐるみは明日の出撃に張り切っていて、いろいろ話していた。私はテレビとの一方通行の会話ではなく、キャッチボールの会話ができることが嬉しく、ぬいぐるみの話す内容は気にしなかった。
明日は週末なので朝寝坊が出来ると、ささやかな幸せを感じながら、ベッドに沈んだ。
そしてさらに幸いなことに、目を閉じると、イケメン達が私を出迎えてくれた。
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