悔やみ嘆く思い

「やめてよ、絶対……」
「分かってる。もうしない。俺は実花を殺したやつ見つける。そう決めたから。そのために生きる」

強く言い張るとおばさんは俺の顔から手を離しておばさん自身の顔を自分の手で包んだ。鼻をすする音が聞こえる。

「ありがと……翔ちゃん……でも危ないことはしないで」
「大丈夫だよ」俺が笑顔で微笑むとおばさんはゆっくり頷いた。

しばらくして俺はおばさんと家の中に入った。今は実花の部屋にいる。

何か手がかりがあるかもしれない。
俺は実花の部屋を見渡す。

実花の部屋には何枚か写真が飾ってあった。
殺風景なフレームの中にニッコリ笑う俺と実花の姿。
そんな、写真を見るだけで胸が苦しくなる。
本来ならこの部屋に一番居なくてはいけない実花。

やっぱり犯人は絶対に許せない。
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