りんご飴
出会い

 「寒っ」
かじかむ手に自分の息を吹きかけた。
今は風が肌にしみる1月。

あたしはそんな寒い中、亜衣との待ち合わせ場所のコンビニへ向かってた。
コンビニまであと3メートルほどになった時
「あかりぃ~」
とあたしの名前が呼ばれた。
その声の先を見ると亜衣がいた。
小走りであたしは亜衣のもとへ駆け寄った。

亜衣とは江藤亜衣のこと小学校からの親友で色々あったけど今は大の仲良し。
 「あい~っっ 遅れてごっめーん。」
 「いいよっいいよ。あんたの遅刻には慣れたから。」
「てへへ」
あたしたちはそんな話しをしながらカフェへ向かった。

「ねぇ、あかり」
「ん、なに?」
「最近例のあの人とはどおなのよっ」

例のあの人とはあたし、福田朱理が大好きな人。同中の先輩で名前は田中弘仁先輩。通称ひろっち先輩。
「え~別にぃ~メールしてるぐらいかなっ♪」
「何が別にぃ~よ!ラブラブなくせにぃー!」
「え?やっぱり?笑」
「はいはい……」
「亜衣はどおなのよぉ~?」
「昨日、塾で喋ったんだ~♪でね…ペン交換したんだあ」
「は?!何そのカップル行為…」
亜衣の好きな人は同じ塾の一村悠人くん。
陸上してて髪おかっぱみたい。あたしはまだ見たことないけど…

「あ、てゆうかさ~あかりってなんで田中先輩のことすきになったんだっけ~?」

…そう。あたしがひろっち先輩を好きになったのは11月ぐらいにあった学校の文化学習発表会のとき。
3年生は選択授業っていうのがあってそれで音楽を選んだ人は、ステージで歌わなきゃいけなかった。
で、ひろっち先輩は音楽だったから歌ってたの。
その時からあたしはなんとなく彼のことが気になり始めたんだ…
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