守護まにゅある!
「す、凄かった・・・」

半ば空気となっていた鈴音は、へたり込みながら呟いた。

腕の中にいた松月が心配そうに見上げる。

『大丈夫か? まぁ、アレだけの光景を見て叫ばなかった主はなかなかのものだな』

「ん?そうかな・・・あ」

不意に周りが暗くなったので見上げると、焔が優しく微笑んでいた。

「お待たせ これでアンタに害はなくなるはずだよ」

「ありがとうございますっ! おかげでこれからは安心できます!!」

松月を抱えたまま慌てて立ち上がってお礼を言うと、アルがふと思い立ったのか話し出した。

「ところで、この方の守護霊はいかがいたしますか? 流石に何もいないまま帰す訳にはいかないでしょう」

「ん? あぁ、それは松月に任せようと思ってたんだ」

松月を指差しながらそう言うと鈴音は驚いた顔をした。

「そんないいんですか? 私助けて貰ってばっかりで」

「あら、誰もタダでとは言ってないわ もちろんお代は貰うよ」

見事な営業スマイルで笑う焔に引き気味になる鈴音。

・・あ、引かれてる

仕方ありませんね 行きますよ、オルハ

え?俺様ちょっと用事が・・

犬の姿で何するんですか

犬じゃねぇ、狼だ!!

アイコンタクトを止めると尻尾を使ってアルを叩いたオルハは、爪の音をたてながら近付いていった。

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