怪奇愛好家。


少しして、彼女が戻ってきた。


「うん、決定!今日はここに決定よ!」
そう言う彼女はとても嬉しそうだ。


「だからあなたも来てね?」

「え、どうして?」

「だって、私たち誰も
 このトンネルに詳しくないの。
 どうせならよく知ってる人が
 いた方がいいと思って。
 それに、唯一居なくなったのが
 あなたのお姉さんなんでしょ?」

「そうだけど……」

「関係者が居た方が面白いじゃない。
 先輩の友だちの知りあいがーとか、
 そんなのじゃつまらないもの」

……面白い、か。

それは、よくある他人の心霊体験の話とは違う、
家族が行方不明になっている相手にいう言葉だろうか。


< 24 / 285 >

この作品をシェア

pagetop