怪奇愛好家。
1話・前編

トンネル前で

今日も僕は、
異次元トンネルにやってきた。

このトンネルは小さくて、
車は1台通るのがやっとだ。
その所為なのか、
いつもトンネルの前には
警備員さんが立っている。


トンネルの近くは
広い空き地になっていて、
民家とも少し離れているから、
近年少なくなった、
子供の絶好の遊び場だ。

今日も野球をしている子達がいる。

そういう子達も、
トンネルは通らずに、
わざわざ遠回りして
空き地までやってくる。


何度か事故があったせいもあるけれど、
一番の理由は『不気味だから』だ。


< 7 / 285 >

この作品をシェア

pagetop