Love syndrome〜溺れるように惹かれていくんだ〜

―――課長がいなくなり、１人会議室に残された私はへなへなとその場にしゃがみ込んだ。


視線の先にはさっきビリビリに破かれた手紙が散らばっている。


私はそのうちのひとかけらを手に取り、複雑な気持ちになった。




…このときはまだなにも知らなかったから。
だから私は、完全に私の中で高野課長のことを“最悪”にランク付けしてやった。



「―――うぅ…」


しかし、どんなにもやもやしても、それでも仕事をしなければならない。


私は立ち上がり、これからセット組みをする書類の前に立った。
そして特大のため息をつき、のろのろと作業に取りかかったのだった。