恋愛遍歴-愛を求めた日々-
episode 9
茜が小説を書けなくなって、すでに二週間が過ぎていた。
「茜、ご飯出来たよ」
希はあれからずっと、茜の部屋に泊まり込んでくれている。
寝室のベッドで横になっていた茜は、希の声を聞いて起き上がった。
『こんなことしてたらダメだよね…。
希にも迷惑掛けてるし、自分もダメになる』
そんな言葉を呟いて、茜は寝室を出て、リビングへと向かった。
「今日はちょっと顔色いいみたいだね」
茜を見た希が、ニッコリ笑って言った。
茜は食事が用意されていた、ダイニングテーブルに座った。
『希…、ごめんね、迷惑かけて…。
もう家に帰っても、私は大丈夫だから…』
茜はそう言って、希を見つめていた。