肉の監獄
病院
あれは僕が5才位の頃。



親父が六甲山をバイクで攻めている時に事故に遭って、



神戸市中央区のとある外科病院に入院した時の事だった。



その病院は、



急な勾配の坂道にしがみつく様にして建っていて、



坂道の北側には古い木造の病舎が、



そして細い路地を挟んで南側には鉄筋コンクリートの新しい病舎が建っていた。




僕の親父は、古い木造病舎の二階の個室に入院していた。






その日僕は、母と2人で、



親父に差し入れる為の弁当を携え、






親父の居るその古い木造病舎の個室を訪れた。




 
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