桜の契約†転生†
消えていく

それからしばらく穏やかな日常は青空を漂う雲のように緩やかに過ぎていった

金髪だった頃の記憶も、平太の前世の記憶もまだ戻らないけど、私は今が幸せであまり気にはしなくなっていた

平太は記憶がないことに焦りを感じていたが、「不安にならないで、ゆっくり思い出していけばいい…」と私はうまくなだめ続けた


一緒にテレビを見て笑ったり、散歩したり、ご飯を食べたりとそんなありふれた日常がとても楽しくて、記憶が戻りそうなきっかけを私は与えなかったんだ…


まだ一度も桜の木の場所…前世の平太が眠る場所にすら二人で行ったことはなかった
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