後ろの迫田くん
*0005*たまとたじろー
あたしの名前は佐伯珠恵。

通称、たま。



あたしの事を「たま」と呼ぶ人は、この呼び名がピッタリだと言う。


猫みたいな呼び名に、自由気まぐれな本人。

猫の真似をしてる訳じゃないけど、皆はあたしを猫みたいだと言う。






「たじろー?」


ゆっくりと離れて行くたじろーを見つめながら、


「たじろーって、あたしの事が好きなの?」


気持ちをぶつけてみた。

一瞬、眉がピクリと跳ねたが、


「・・・。」

「ねー?」

「・・・。」

「ねーってば。」

「・・・。」


いつまでも返って来ない返事に、


「あたしは好きだよ。」


「ちゅっ。」って、触れるか触れないかのキスをした。



たじろーはニヤッと笑い、


「上等じゃねぇか。」


再びあたしの唇を塞いだ。
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