【完】アイドル彼氏★好きになっちゃった
「翼、電池がいるなら私が後で買ってきて渡すのに……」


「今すぐ必要なんで、いいっス」


ブツブツ言う南さんを車に残し、すぐ戻るって言って、店に入るオレ。


何階にいんのかな。


ドラマの本番前なんかより、よっぽどドキドキするな。


2階までエスカレーターで上がると、右手にケータイコーナーがあった。


オレンジの服を着た、短いスカートの姉ちゃんが二人。


サンバイザーみたいな帽子をかぶってるけど、そのうち一人がナナだってことは、すぐわかった。


……足細いな。


あんなミニ、履かせんなよ。


間違いなく、変なヤツが近寄ってくんぞ?


ムカムカしつつ、ナナに近寄っていく。


「無料クジいかがですか?本日キャンペーンを……」


帽子をかぶってるオレを見上げたとたん、


ナナの顔が固まった。


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