【完】アイドル彼氏★好きになっちゃった

なのに、今じゃ……。


アイドルを極めたいって思ってはいたけど、ナナがいてからこそだったのに。


これから、なんのために頑張ればいいのか……全くわからなくなっていた。


「ま、次行けばいーじゃん」


類は苦笑いしながら言ってくる。


「本気で言ってんのかよ……殴んぞ？」


「ははっ……すぐには無理だよな。けどさ、ナナちゃんて、見かけによらず冷たいよな。未来もがっかりしてた」


冷たいんじゃねーよ。


優しーんだって。


優しいからこそ、弱いっていうか……。


オレがちゃんと連絡取ってれば、こうはならなかったのかな。


「くよくよすんな？翼らしくねぇじゃん。結局さ、無理なんだよ。全部今までと同じってのは。

乗り越えられたヤツだけが、全部手に入れられる」


「おー。ケンカ売ってんのか？」


未来ちゃんとうまくいってる類に、んなこと言われたくねぇよ。