【完】アイドル彼氏★好きになっちゃった
「…………」


「南さんが言ったことなんか、気にすんなよ。オレはナナの弱いとこも、優しいとこも、全部好きなんだからさ」


「……頼りないよ?」


「オレがしっかりしてるから、大丈夫」


「フフッ、自分で言ってる……」


「やっぱ、さっきのって……強がってたんだよな」


「えっ……」


ナナが電話でやたら明るかったわけがわかった。


そういえば、嬉しいときっていつもテンションがやたら高くなってたよな。


ナナの性格が変わったんじゃなくて、強がってたんだって途中で気付いてよかった。


「オレから連絡あって、嬉しかったろ?」


恥ずかしそーに、黙って頷くナナ。


……もう、抱きしめるだけじゃ足んねーな。


「これからさ、もっと会いたいよな……。ナナがいいっつーなら、オレにひとつ考えがあんだけど」


耳元でそっと囁くと、ナナの顔が急にほころぶ。


オレの大好きな、ナナの笑顔。


やっぱこれが、オレにとって最高の癒し。


この笑顔ひとつで、一年の疲れが一気に吹っ飛ぶ気がした。




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