Promise
学校
あたしは、黒川 絢。

この春、訳あって転校することになった。

親の都合で。

それにしても、東方学園なんて…

不良、というよりも、族や、

ヤクザ、そういう人たちの集まる私立の高校。

確かに、あたしは賢くないけど。

どっちかといえば、頭が悪い。

そして、素行が悪い。

そんなあたしでも、余裕で入れたこの学園。

――――ブォォォオン…

あたしは、りっちゃんにメットを渡し、でかいバイクから降りた。

「ん。ありがと」

「おう。じゃ、行くか」

「理事長に送ってもらうとか、いいの??」

「んー…よくない…かな??」

…やっぱり…。

特別扱いになるしね。

「え、じゃあ歩いて行くよっ」

うん。迷惑掛けられない。

「や、でも俺、理事長でもあり、元彼でもあるし。んで、元幹部でもあるし。関係深いしね…ははっ」

「…んー…否定はしないけど」

「てか、遅刻するよ?絢さん。行くよ!」

どこに??

きょとんとした顔をしていると、

「教室に決まってんだろー…絢さん、バカ??」

鼻で笑った??今、本気でバカにした??

「うっさい!!バカはあんたでしょーがっ!!りっちゃんうざっ」

りっちゃん。

谷村 律。

東方学園の理事長。

そして、お父さんの組の元幹部。


< 1 / 12 >

この作品をシェア

pagetop