さくらんぼロリーポップ
藍楽の日常

一途で不器用な次兄の恋路を見守り、長身男前を持て余す主婦な長兄の恋路を見届け、更にはクラスメートと幼なじみの恋路も丸く納めた。


それぞれがそれぞれらしいカップリングになり、藍楽は一人肩の荷が下りたような達成感でご満悦だった。


天が皇楽と朗楽を迎えに行く姿を冷やかしたり、聖梨と一緒に雄楽の試合を見に行ったり、椎菜の愚痴に付き合ったり……。


なんて藍楽のひそやかな目論見は、


「申し訳ないが力を貸して欲しいんだ」


「……んっ? わたし?」

困ったように頭を下げてきた椎菜の彼氏である修護の申し出から、思わぬ方向に向かおうとしていた。


どうせ椎菜に頭が上がらないとか、椎菜の我が儘に弱ってるとかそんなことだろう。


なんて高を括り、


「まぁ、いいけど」


なんてお菓子をポリポリと食べながら気楽に答えたのが運の尽き。


放課後。
椎菜のついでに藍楽を迎えに来た修護に連れられてきた場所。


それは、


「あ~はじめまして」


朝礼やなんやで数回見かけた人懐っこく笑う生徒会長が待ち受けた生徒会室だった。


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