さくらんぼロリーポップ
高梨兄弟の事情

「めっっちゃムカつく!!」


昼休みの2年の教室。


皇楽の作ったお弁当をさっさとたいらげた藍楽が、声を荒げながら拳で机を叩いた。


「わたしだけじゃなくて双子のお兄ちゃんまで陥れようなんて……最低だと思わない!?」


「まぁ……意外っちゃ意外だけど」


涼希と涼姫が食べかけだったお弁当を避難させながら、憤る藍楽にとりあえず頷いてみせる。


二人が頷いたことに気を良くしたのか。


「あんなヤツが女の子に人気があるなんておかしい! みんな騙されてるよ! ねぇ!」


「うるせぇ! 自分の教室に戻れ!」


お弁当を避難しそびれた雄楽が片手でお弁当箱を押さえながら、喚く藍楽の額にデコピンをかました。


妹の一大事だというのに全く聞く耳を持たない次兄に、藍楽はムッ頬を膨らませて雄楽を見据えている。


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