さくらんぼロリーポップ
わざとらしくらいそそくさと玄関に向かう皇楽を後目に、気付けば藍楽の表情は溜め息混じりの憂い顔に変わっていた。
「はぁ……。皇兄と天さんみたく相思相愛なら問題ナシなのに……」
付き合ってる宣言も頬っぺたのチューも、好き合ってる相手との出来事なら何ら問題無い。
むしろ皇楽と天よろしくラブラブで羨ましい限りなのだが……。
困らせたいが為の嫌がらせ。
豹のアレは全てがここに繋がっているだけに藍楽としては堪ったもんじゃない。
どうせなら自分だって本物の相手と……って思ってしまうのが年頃の乙女だ。
「……どうせなら本物の彼氏が欲しいよ」
「多分だけどさ……その副会長くんって、藍楽ちゃんのこと好きなんじゃない?」
「はっ!? 天さん何言ってるんですか!」
「だってさ、ホントに嫌がらせにしてはスキンシップ激しいし……ただ天の邪鬼なだけかもって」
「っ!!」
何気なく言われた天の憶測に思わず藍楽はドキッとしてしまう。
自分が好かれる理由なんて全く検討はつかない。
でも、確かに双子の兄である龍が豹のことを天の邪鬼と言っていたのだ。